公開したWebサイトをより良い成果の出るサイトに育てていくために必要なアクセス解析とサイト改修。
Webディレクターはこのアクセス解析とサイト改修においてどのような業務を行うのか、どのような点に注意して進めたらいいのかといったポイントをまとめました。
目次
アクセス解析とは、Webサイトを訪れるユーザーの行動や特性を分析すること。
その結果からWebサイトの抱える課題を見つけ出し、改善していくことを目的としています。
アクセス解析を行うツールにはさまざまなものがありますが、Googleが提供しているGoogleアナリティクスを利用するのが基本的。サイトの訪問者数・ユーザーの流入経路・使用デバイスなど多数のデータを参照できるほか、SEO対策としても利用できます。
アクセス解析の目的は、Webサイトの訪問者数を増やすことと、ユーザーのCV(コンバージョン)数をアップさせるための課題を見つけて分析すること。そのために収集したいデータをまとめてみました。
アクセス解析ツールを使い、訪問者数・PV数・ページ滞在率・新規率・直帰率・コンバージョンレートといった主な指標となるデータをチェック。
全体的にどこが上昇していてどこが減少しているか、曜日や時間帯による変化などを把握します。
ページへの流入数が多いワードを上位100個くらいチェック。主要指標が良いものと悪いものを洗い出し、そこに特徴がないかを確認します。
また、参照サイトについても上位20~30くらいをチェックし、どのような傾向があるかを分析しておきます。
直帰率とは、他のページを閲覧することなくサイトを離れたセッションの割合。上位10件くらいのページをチェックし、その中でもとくに直帰率の高いページをピックアップします。
Webサイトを訪問したユーザーがどのような経路でページをたどっているのか、行動の傾向を探ります。
主要なページからどこへ移動しているか、最終的にどこから離脱しているのかを把握しておきましょう。
アクセス解析でデータを集めると、徐々にサイトの抱える課題が見えてくると思います。それが判明したら、仮説を立てるプロセスへと移ります。
例えば、「著しく直帰率の高いページ」があるとしましょう。次に第三者の目線に立ち、「サイトを訪問するユーザーが求めている情報がこのページにはないのではないか」「情報量が少なすぎるのでは?」といった具合に仮説を立てていきます。
アクセス解析の目的は、この「仮説を立てる」ことにあります。解析ツールのデータをぼんやり眺めていたり、課題の表面だけを見て改善策を講じるのではなく、「なぜこの状態になっているのか」をしっかり掘り下げていきましょう。
仮説を立てたら、それをもとに改善のためのサイト改修施策を考えていきましょう。施策には「コンテンツの修正」「A/Bテストの実施」などがありますが、優先度の高いものから実行することが大切です。
しかし、課題を多く抱えるWebサイトでは、どこから着手していいか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで優先度の基準として欲しいのが「CV(コンバージョン)へのインパクトの大きさ」。サイトを訪れたユーザーにとって欲しい行動が「お問い合わせ」なら、お問い合わせに関与するページへのサイト改修施策が優先となります。
つい、アクセス数増加といった分かりやすい部分から手をつけたくなりますが、ここで優先順位や方向性を間違えてしまうと、せっかくのサイト改修施策が何の結果にも結び付かない……なんてことになりかねません。必ず、CVへの貢献度が高いページから改善を行いましょう。
「アクセス解析の結果から課題を見出し、仮説を立て検証をする」。より良いWebサイトにしていくためには、このPDCAサイクルを繰り返し行うことが重要です。
もし検証として実行したサイト改修施策に効果が見られなければ、もう1度アクセス解析を実施。改めてデータを分析して改善点を見出し、新たなサイト改修施策で再検証を行います。
ここで注意したいのは、サイト改修施策をやりっぱなしにしないこと。やりっぱなしの状態だと効果があったのかどうかも分かりませんし、PDCAサイクルも回らなくなります。
Webマーケティングの効果を最大化するには、継続的にPDCAサイクルを回してサイトを改善していく姿勢が大事。ある程度の時間も労力もかかる作業ですが、行ったサイト改修施策で効果があがれば企業やチームの実績にもつながります。
アクセス解析は地味な作業ではありますが、Webディレクターとしては腰を入れて取り組みたい作業。
アクセス解析とデータの利用がうまくできている場合とできていない場合とでは、WebサイトのCVに大きな差が出るからです。
アクセス解析を上手に活用できるようになれば、根拠のある施策の提案と改善ができるようになり、クライアントやチームからの信頼も高まります。しっかりと基本を身につけておくようにしてください。
サイト制作は公開したら終わりではありません。
約100名のWebディレクターが在籍し、延べ数千サイトの制作実績を持つ私たち全研本社では、アクセス解析ツールを活用してすべてのサイトを分析、常に成果に結びつけるための施策を行っています。
例えば、分析の結果「セッションはあるのにCVに結びついていない」といった問題点がわかった場合、導線を見直したり、付加情報を加えたり、見た目を調整してユーザビリティを強化したり。 分析と改修を何度も繰り返し、継続的にサイトをブラッシュアップしています。
また、新しくサイトを制作する際にも、似たようなジャンルのサイトのアクセス解析をコンテンツや導線に生かすことも。アクセス解析は、サイト制作になくてはならない重要なツール。 Webディレクターは日々駆使しながら、制作に取り組んでいます。
「Webサイト制作ってどう進めているの?」
「Webディレクターはどんな仕事をするの?」
これを読めばイメージが掴めます!
クライアントの課題解決のために、市場を分析、ターゲットを設定して企画を練り、コンテンツを創るWebディレクター。…と言われても、「Web制作がよくわからないから、いまいちイメージが湧かない!」という皆さんに、新人Webディレクターの一日を追いかけながら、Web制作の現場やWebディレクターの仕事の一部をご紹介します♪
さとゆり
前職はラジオディレクター兼ライター。Web業界未経験でWebディレクターになり丸1年♪ガッツと取材力が武器!