毎日がむしゃらに記事を書いていたんですけど、
“企画や戦略からサイトを作れたら
面白いのにな”って。
「たくさんある工程の一部分だけを担う仕事じゃなくて、自分が考えた企画や戦略を宿したサイトを一から創れたら、すごく面白いんじゃないかって。その軸で転職活動をしました」と話す、Webディレクター歴6年のMAIKO。転職経緯から選考秘話、職種未経験で入社した直後の新人時代の日々まで、くわしく聞いてみました。
未経験転職時:23歳/Webディレクター歴:6年
2017年 東京西新宿の企業「Zenken」のIT領域・コンテンツマーケティング事業の制作部門に、職種未経験でWebディレクターとして入社。はじめてWebディレクションを手掛けたサイトのジャンルは「医療脱毛」。Webディレクションの中でとくに好きな工程は戦略設計と戦略説明。「頭の中にあるものを形にすること、その案がブレストによってより良いものに仕上がっていくこと、完成した戦略をお客様にお伝えした時に“そうそうそれ!”と言っていただける瞬間が好きです」。マイベスト映画は「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズン」。
目次
——前職はライターだったんですね。
はい。自社で運営するWebメディアの専門ライターとして、ニュース記事を1日4本ペースで書き上げていました。とにかくスピード重視で。
企業のプレスリリースから記事を作成するほかに、記者会見に出席して記事を作成することもあって、大手新聞社の記者たちと並んで取材をした経験は、今思うと貴重だったと感じます。
また、1年に2回発行するフリーペーパーと、1年に1回販売する書籍とがあり、こちらでは編集者として、様々な企業のPR記事の取材や作成も担当していました。
——Webディレクターにジョブチェンジしようと思った理由は何でしたか?
大学では文学を専攻するくらい、本を読むことや文を書くことが好きでした。だから「書く仕事」に憧れて始めた前職だったんですが、いつの間にか、ただ情報をまとめる“作業”みたいになってしまっていて。
もっと、自分が企画から考えたものを形にするといったような、クリエイティブな仕事がしたいな、と思うようになって、その軸で仕事探しを始めました。
その中で出会ったのが、ZenkenのWebディレクター職。「サイトを1から作れる仕事って面白そう!」と思ったんです。
——それで、ZenkenのWebディレクター選考にエントリーしたんですね。
はい。Zenkenの選考の過程で、今でもすごく印象に残っていることがあって。
最終面接で、事業部長から「なぜ前職を辞めたのか」と質問されて、「スキルアップしたかったからです」とか、当たり障りのない返答をしたんですけど。「そうじゃなくて、本当の理由を教えてほしい」と(笑)。
転職活動の面接の中で「本音」を聞かれたのは初めてでした。
なので、取り繕うのを辞めて「今の職場では成果を出しても認めてもらえなかったから」と、転職活動を始めたきっかけを正直にお話ししました。
そうしたら「ZenkenのWebディレクター職は、成果が出るまでに3年はかかるよ。
社内で認めてもらおうとするのも、そのくらい長い目でみないとだめだよ」と言われて。
私に合わせて「ウチは成果を出したらすぐ認めるよ!」と調子よく言うのではなく、「ぜひZenkenに入ってほしいと思っているけど、Zenkenの仕事では、そのくらいの時間と覚悟が必要だと思っていてほしい」と。
それを聞いて、「最終面接なのに、厳しいところもごまかさずに話してくれるんだ。こんなにも、私という個人の本質ときちんと向き合おうとしてくれるんだ」って感動したんです。
その選考が決め手となって、Zenkenに入社しました。
——入社して、事業部長の言ったことは本当でした?
はい!
私も、選考での事業部長の言葉を思い出しながら、今度は何があってもまずは3年全力で頑張ってみようと誓い、ひたすら前を向いて走りました。そして実際、Zenkenは“目立つ人”とか“成果の大小”などは関係なく、前を向いて走る人たちを公平に見つめ、個々の頑張りをきちんと認めて評価してくれる会社だと思います。
——Webディレクターとして仕事をスタートしたあとは、どんな日々でしたか?
もう……「私、こんなに何にも出来ないなんて!」ってショックを受けるくらい、出来ないことばかりで。悔しくて悔しくて、新人の頃はしょっちゅう泣いてました(笑)
「この企画イケてる!」って提出したサイトマップが、上長に真っ赤に赤入れされて戻ってきたり、戦略の立て方が甘くて、「それじゃ成果出ないよね」ってガンガン指摘されたり、毎日これでもかってくらいダメ出しされまくってました。
でも不思議と、つらいとか逃げたいとかは全く思わなくて、むしろ、出来ることが毎日増えるワクワクのほうがずっと大きかったんですよね。毎日新しいことを知って、覚えて、取り組んで。そんな日々がとても刺激的で面白かったです。
——大変そうですが、それ以上にすごく楽しそうです!
毎日あんなに熱中できる仕事、それまで経験したことがなかったです。
それに、ZenkenのWebサイト制作って、例えば戦略を立てるのも、サイトマップを完成させるのにも、知見のある人が大勢関わって綿密に考えていきますよね。
前職では、言い方は悪いけれど“根拠のないクリエイティブ”というか、何を作るにしても、個人が感覚だけで作っている感じだったんですよ。だからZenkenに入って、専門領域のスキルや知識のある人達と一緒に仕事をするようになってはじめて、「うわ、プロだ……。すごい人ばっかり……」って尊敬するとともに、「ちゃんとついていかなきゃ!」と焦りました。とにかく必死で食らいついていっていましたね。
子供の頃に誰もが読んだことのある「3匹の子ブタ」「シンデレラ」などの童話を通して、プロジェクトマネジメントの基本がすっきり理解できます。
「PMとは何か、どうすればうまくいくかを童話でわかりやすく解説している本です。いろんな人と関わるWebディレクターのお仕事にも生かせる要素が満載です」
国内有数のデザイナーである水野学氏による「センスの教科書」。センスは持って生まれた才能ではなく、知識を蓄えることによって磨くことのできるスキルであることを説いた、制作者必読の一冊。
「ペルソナやキャッチコピー作成、コンセプトの考案にあたって“私にはセンスがない”と思っている方に、一度読んでほしいです」
DeNA創業者が初めて明かした、奮闘の舞台裏。
「株式会社ディー・エヌ・エー創業者、女性初の日本経済団体連合会副会長の南場智子さんの本です。こんなすごい人でもそんな失敗するんだとか、私には想像もできないような窮地に立たされた時の自分の奮い立たせ方だったりとか、すごく勇気をもらえます」
——Webディレクターとしての初仕事は?
それが、いきなりのフルデザイン案件でした!
※テンプレートを使わず、一からデザインや構成を考えるリッチなコンテンツプランのサイト。
上司がフロントディレクターに立ち、私は主に編集ディレクションを担当したんですが、最初っからこんなにページ数のある大きいサイトを任せてもらえるんだ、ってびっくりしました。HTMLとか何も判ってなかったので、勉強したり周りの方に教えてもらったりしながら、なんとか作り上げて。
——新人の間はアシスタント的な雑用ばっかり、じゃないんですね。
ね。「サイトを一から作りたい!」と夢みてZenkenに入社しましたけど、サイト作りを担当させてもらうまでにはもっと時間がかかると思っていたので、すごい!って感激しました。
今も、新人ディレクターが入社してきたら、最初からいきなり1サイト任せて、フロントとしてディレクションを担当してもらっています。もちろん先輩ディレクターがサポートにつくので、丸投げなんかじゃないですよ(笑)。
——思い出深いのはどんな案件ですか?
薬剤師さんの採用をテーマにしたサイト制作ですね。市場調査や競合調査、ターゲット調査を綿密に行い、それらのデータをもとに戦略をものすごく練って、本当に採りたいターゲットペルソナに対して一番刺さる構成、キャッチ、デザイン、ライティング……と、細部までこだわりぬきました。
ただ、ものすごくのめりこんで制作していたので、後になって「ここまで時間をかけて作るのは良くなかったかも……」とちょっと反省し、事業部長にそのことを話したんですよね。すると、「自分がこだわりたいなら、とことんこだわりぬけばいい。それで無駄になることは何もない」と言ってもらって。
時間が足りない、工数がかかる、他の商品プランとのバランスが崩れる……などなど、色々考えたり、やりくりしたりしなくちゃいけないことはありますが、その“あと一歩のこだわり”が例え自己満足だったとしても、もしかしたらクライアントの満足に繋がるかもしれない、検索結果画面が変わるかもしれない、誰かを感動させられるかもしれない。「だったら頑張らない理由がない!」と気づかせてもらいました。
いちクリエイターとしてターニングポイントになった案件ですね。
——最近はどんな仕事に取り組んでいますか?
現在は、WebディレクターとしてのWebメディア制作だけでなく、新人Webディレクターの育成も任せてもらっています。私が新人時代に上長や先輩たちから頂いた数えきれないほどのノウハウや知識、そして抱えきれないほどの愛情を、今度は私が新人さんたちに伝えています。
——素敵ですね!それでは最後に、ZenkenのWebディレクターに転職して、今改めて思うこと、実感していることを教えてください。
Webディレクターという仕事も、すごく面白くてやりがいのある仕事ですが、Zenkenならではだなあと思うのは「人」の魅力ですね。
ZenkenのWebディレクターたちは、良い意味で“人に執着する”人が多くて、落ち込んでいたり悩んでいたりするのを全然放っておいてくれない(笑)。でもそんな人たちがたくさんいる職場だからこそ、自然とみんなが前をむけてるんだなあと感じます。
どんな仕事をするかも大事ですが、それと同じくらい、どんな職場で働くかも大事だな、というのは、Zenkenに転職してすごく実感したことのひとつですね。
「クライアントの期待値を超える戦略提案やスケジュール通りのディレクションは簡単ではありませんが、クライアントに対してこれまでにない価値を生み出せたり、様々な業務を経験できたりする点は、Webディレクターの醍醐味です。
選考を一点突破するような特技がなくても、「様々なことに興味を持てる!」という好奇心さえあれば、年齢や経験は関係なく活躍の場を広げられるお仕事だと思います。」(MAIKO)
「Webサイト制作ってどう進めているの?」
「Webディレクターはどんな仕事をするの?」
これを読めばイメージが掴めます!
クライアントの課題解決のために、市場を分析、ターゲットを設定して企画を練り、コンテンツを創るWebディレクター。…と言われても、「Web制作がよくわからないから、いまいちイメージが湧かない!」という皆さんに、新人Webディレクターの一日を追いかけながら、Web制作の現場やWebディレクターの仕事の一部をご紹介します♪
さとゆり
前職はラジオディレクター兼ライター。Web業界未経験でWebディレクターになり丸1年♪ガッツと取材力が武器!