ルーチンワークが延々と続く日々に、ふと、
“もっとスキルアップできる環境に行きたい”
と思った。
「前職の編集業務は、ひたすら同じ作業を繰り返す毎日。少しずつフラストレーションが溜まってたんですね。もっと上流工程から、企画まるごと携われる仕事につきたい!って」と話すWebディレクター歴1年のTAKUYA。未経験入社でもメキメキ成長する仕組みのことから現在の働きがいまで、たっぷり話してもらいました。
未経験転職時:27歳/Webディレクター歴:1年
2021年 東京西新宿の企業「全研本社」のIT領域・コンテンツマーケティング事業の制作部門に、職種未経験でWebディレクターとして入社。はじめてWebディレクションを手掛けたサイトのテーマは「外壁塗装」。Webディレクションの中でとくに好きな工程はヒアリング。機会がなければ一生学ぶことはなかっただろう業界の話を、専門家からマンツーマンで聞けるのがシンプルに楽しいため。ツールやSaaSなどのIT系分野の制作が好き。マイベスト映画は「いまを生きる」。
目次
——Webディレクターになる前はどんな仕事をしていましたか?
新卒で就いたのは着物の販売員。とくにアパレル業界やファッションに興味があったとかではなく、本当になんとなく就職したんですよ。でも働いているうちに、「やっぱりライティングや編集の仕事がしたいな」と思って、“編集未経験者OK”とあったWeb事業会社に転職しました。
そこは従業員数5名ほどの小さな会社で、建築関係専門のWebメディア運営を行っていました。私が担当していたのは主に、ニュース記事のライティングや、事例取材記事の編集など。そのWebメディアは「建築×IT」をテーマにしていたので、 ニュース記事のライティングではゼネコンなどのニュースリリース等を日々チェックし、テーマに沿うニュースを見つけては記事にしていました。
事例取材記事の編集では、Webメディアのスポンサー企業のツールやサービスについてライターと一緒に取材し、ライターが上げてきたテキストを編集する、という業務でした。
——希望したライティングや編集の仕事に就いたのに、なぜもう一度転職しようと思ったのですか?
ライティングや編集の仕事自体は楽しくて好きだったんです。でも、そこで2~3年ほど働いているうちに、仕事に完全に慣れ、ある種のルーチンワーク感を覚えてしまったんですね。毎日記事化できそうなリリースを探してはライティング、リリースを探してはライティング……この繰り返し。これが延々、一年中続く。
それ以上スキルアップもしないし、新しい人も増えないし、メディアの規模もずっと変わらない。だんだん「あれ、俺このままこの環境にいて、将来どうなんのかな……」という不安が芽生えてきて。なんの変化もないルーチンワークな日々に耐えられなくなっていったんです。そうして、「もっとスキルアップできる環境にいきたい!」「もっと上流工程から制作に携われる仕事がしたい!」という気持ちが膨らんで、転職を決意。
「前職で得たライティングや編集のスキルを活かしながらも、マーケティングや企画部分から関われるような制作業務がいいな」と思いながら仕事を探す中で、ドンピシャだったのが全研本社のWebディレクター職でした。
——新人Webディレクター時代はどんな日々でしたか?
全研本社にWebディレクターとして入社すると、まずはじめに配属されるのが「新人島(しんじんじま)」と呼ばれる新入社員専門の制作課です。ここで、全研本社のWebディレクション業務のいろはを教えてもらい、基礎知識と基本スキルを身に着けていきます。
私もそうですが、全研本社のWebディレクター採用では未経験者を積極的に採用しているので、新人への業務研修や先輩のサポートがかなり手厚いんですよ。
——そうなんですね。たとえばどんな研修がありましたか?
たとえば私、最初の頃はクライアントヒアリングがすっごく憂鬱だったんです。Webディレクターになりたての自分がもしクライアントから何か質問されても、うまく答えられないだろうと思って……。
でも新人島には「ヒアリング研修」なるものがあってですね。ベテランWebディレクターがクライアント役となって、とことんヒアリングロープレに付き合ってくれるんです。これは別に私だけが特別にやってもらったのではなく、新人島のメンバー全員、個々にロープレしてもらっていました。
そのロープレでアドバイスをズバズバ頂くたびに、「なるほど。そう言えばいいのね」と新しい知識を得るのが楽しくて。
おかげで実際のヒアリングのとき「今日はTAKUYAさんがメインでヒアリングしてみてください」と先輩に振られても、スムーズに対応することができるようになっていました。もちろん私の質問の掘り下げが足りなかったりすると、横から先輩ディレクターがガンガンサポートしてくれるんですが。
——それは手厚いですね!
そうなんです。今となっては、クライアント対応はとても好きな業務のひとつです^^
新人の頃は新鮮なことの連続で、 毎日ただただ楽しかったですね。
それに新人島には「みんなでレベルあげていこうぜ」っていう雰囲気があって。皆でキャッチコピーやタイトルタグを考えてみる朝活をしたり、既存サイトの研究をしたり、1人が作ったサイトマップや記事に先輩から赤入れチェックをもらったら、スキャンしてシェアして皆で見たり。「赤入れの墓場」っていう共有フォルダに、スキャンした赤入れを溜めていってました(笑)。
——墓場……!(笑)先輩からの赤入れ、ヘコんだりしませんでしたか?
全然!むしろ嬉しかったです。
前職でも、私が書いた記事にバンバン赤入れしてもらってたんで、ネガティブな気持ちはまったくありませんでした。
でも早く一人前にはなりたかったので、わからないことは上司や周囲の先輩ディレクターにどんどん聞きまわっていましたね。
そうしてついに、新人島を卒業するときがやってきました。
新潮文庫「Yonda?」、「日テレ営業中」などの名コピーを生み出した、コピーライター・谷山雅計氏。20年以上実践してきた“発想体質”になるための31のトレーニング方法を紹介。宣伝会議のロングセラー。
「全研に入社直後、当時の上司に貸していただいた本。クリエイティブに向き合う考え方の基礎が書いてあります」
世界的ベストセラー『嫌われる勇気』をはじめ数々の名著、ロングセラーを執筆してきたライター・古賀史健氏が、「取材」「執筆」「推敲」の三部構成・全10章、21万文字、約500ページをかけて「ほんとうの核心」だけを教える、書く技術・伝える心得の永久決定版。
「ヒアリングについてはこの一冊に全てがある。値段は高いけど」
日本有数のデザイナー発「センスの教科書」。 センスとは才能ではなく、知識を蓄えることによって磨くことのできるスキルであることを説いた一冊。
「“ひらめきを待たずに知識を蓄える”。知識もないまま尖ったアウトプットを目指すべきではない。“とにかくインプットだ”と、今でもたまに自問自答します」
——いよいよ1人でWebディレクションを任されるようになったわけですね!Webディレクターとして一人立ちしてみて、どうですか?
もう、想像以上のやりがいです。「こんなに全部を任せてもらっていいんだ!」って。
入社前は、Web編集業務にプラスして企画までできるのかな~くらいに思っていたんですけど。企画どころか、クライアントヒアリングから戦略立案、ペルソナ設計にサイトマップ、構成ラフからデザインチェック……関わる工程を言い出したらキリがないですけど、要は“サイト制作の最初から最後まですべて”を任せてもらえる。
そして、「TAKUYAさんが作ってくれたサイトで成果がでました!」と、クライアントから私宛に感謝やご満足の声が届いたりもする。それってもう、単なる制作担当を超えてますよね。すごい仕事だなって思うんですよ。
——一番嬉しい瞬間は、やっぱりクライアントからそうした言葉をいただくとき?
そうですね。公開後のお言葉ももちろん嬉しいですが、制作途中にいただく言葉でも嬉しくなることがよくあります。 例えば戦略説明時に、クライアントから「業界のこと良くわかってるね!」「うまくいきそう!」って言っていただいたときとか、心の中で全力ガッツポーズしてますよね(笑)。
また、戦略説明の場などでクライアントが、「私は経営者としてこんな想いがあって、この考えをもっと世の中に広めていきたいんだよね」と、お話してくださることがたびたびあって。
そんなとき、「あぁ……、そんな熱い思いで推進されている会社の課題解決を、この戦略に託してくださっているんだなあ」ってしみじみ感じます。その大きな期待が嬉しく、また、「絶対にこのサイトを成功させたい!」という思いでいっぱいになりますね。
——なんだかこちらまで胸がいっぱいになりました。私達は価値ある仕事をしているんだなと感じますね。
最後に……「ルーチンワーク」からは無事抜け出せましたか?^^
ふふ、もちろんです^^
全研本社のWebディレクター職は、ルーチンとは無縁。むしろ対極にあるんじゃないでしょうか。
制作するサイトも、いろいろな業界やジャンルの商材・サービスを担当できますし。「何コレ!?」っていう謎の機械とかニッチな市場とか、毎回面白すぎます。退屈なんて感じる暇がない毎日をいま、送れています!
「編集やライティングの経験がある方で、もっと職域を広げたいなら、Webディレクターという職種はうってつけだと思います。この職種には、決してルーチンではない、刺激と面白さがあります。
また、最近まであまり意識していませんでしたが、いただいたお金を使ってWebサイトを創れる。しかもそれは自分が考えた企画……って、とても尊いことだと感じます。それでクライアントの集客課題を解決したり、時にはその市場全体すら活性化できたりするかもしれないって考えると、胸が高鳴ります。
もし今これを読んで、少しでもワクワクしたなら、あなたはWebディレクターに向いてる方だと思います。ぜひ一歩踏み出してみて下さい。」(TAKUYA)
「Webサイト制作ってどう進めているの?」
「Webディレクターはどんな仕事をするの?」
これを読めばイメージが掴めます!
クライアントの課題解決のために、市場を分析、ターゲットを設定して企画を練り、コンテンツを創るWebディレクター。…と言われても、「Web制作がよくわからないから、いまいちイメージが湧かない!」という皆さんに、新人Webディレクターの一日を追いかけながら、Web制作の現場やWebディレクターの仕事の一部をご紹介します♪
さとゆり
前職はラジオディレクター兼ライター。Web業界未経験でWebディレクターになり丸1年♪ガッツと取材力が武器!